What If (1のつづき)

痛みを引き起こしていたのは、子宮内膜症。

左に8-9cmの大きめ嚢腫(のうしゅ)が一つ、右に2cmほどの小さめ嚢腫が二つ。

お腹の中で破裂した嚢腫から流れ出した膿が、激しい痛みを引き起こした犯人だった。

知らなかったんですか?こんなに大きいのに・・・

痛かったでしょう

実はもう今年春、卵子凍結のためにかかった韓国の婦人科で言われた。

そのとき思い出した。私、知ってたかも…

「チョコレート嚢胞」

10年前、日本でかかった婦人科の検査結果紙にお医者さんが書いてくれた手書きメモ。子宮内膜症で卵巣にできた嚢腫の別名が「チョコレート嚢胞」だった。私は「嚢」が読めなかった。でも誰にも聞かなかった。聞けなかった。

日本にいた頃、病院はいちばん嫌な場所だった。

なぁに?!??!それ訴訟案件だよ!それこっちだったらゼッタイ訴えられるよ!

韓国系カナダ人の幼馴染は私の日本での病院体験話を聞くたび、怒るエネルギーなんて最初からない私に代わって腹を立てながら訴えないのかと言ってきた。今はアメリカでご近所の彼女は、今でも私に会うと私も忘れかけていた話をする。

私が彼女に話した最初の体験談はたぶん、精神科の受診予約をするために六本木のとあるクリニックに電話をした時のこと。

どういったことで伺いたいかと、予約希望日を伝えたら、何時なら空いてますね、と。じゃ、それでお願いしますと言ったら名前を聞かれて、名前を伝えたら、困った声で外国人のお客さまは一切お受けしていないと、予約を断られた。理由を聞くと、以前外国人のお客さんとトラブルがあったらしい。私が名前を伝えるまでには、私が外国人であることにすら気づいていなかった受付の人だった。

受診を断られたのはそれが最初で最後ではあったが、普段は便利なことにも外国人であることを気づかれずに生活できる私にとって病院は、一気に私と私の身体が赤の他人らに外国人として立たされる、入管に次ぐ空間だった。入管なんて、永住権を持っている私は次の在留カード更新までは何年も行かなくていいのに、病院は、入管よりも身近にある入管ならざる入管だった。

なぜか私にだけタメ語は日常茶飯事、敬語が分からないかもしれない外国人に対する親切であったなら、そういえば日本語は初級者ほど「です・ます形」しか分からないということをこの人たちは知らないし別に知りたくもないだろう。診察とはあまり関係のなさそうなintrusiveな質問は、まだ適当に逃げられるほどの経験値がついたけど、心臓の音を聞かなきゃいけないからブラまで全部脱げと言われた病院を出た時は流石に泣いた。

外国人であること、外国人の中でも韓国人であること、韓国人の中でも韓国人女性であること、何ひとつ知られていいことがなかった。少なくとも、まだ「「外国人っぽさ」」が分かりやすかった最初の数年は。いつ、どこで、どんな無礼とセクハラと差別と暴言に遭うか分からないから、日本に来た最初からそんなに強くもなかったアクセントは頑張って消した。私が外国人であることを別に頑張らなくても隠せるくらいになった頃には「日本語上手だね」なんて言われなくて楽だと思った。たまに気づかれて日本語を褒められると生存のために消したアクセントのことが思い出されて複雑な気持ちになるだけだったから。

What if:日本に行かなかったなら、この書き方も読み方も難しい嚢腫のことももっと早くフォローアップして、Dienogestも早くから飲んで、このしんどい手術も、学期途中の緊急帰国も、しなくてよかったのだろうか。そんなことを、病棟中に漂う薬の匂いとストレスと緊張で止まらない吐き気を抑えながら考えていた。

고등학교 때 처럼 조금씩 아무 생각 없이 다시 일본 컨텐츠를 소비할 수 있게 되었다. 살아남기 위해 일본어를 하고, 살아남기 위해 일본 이너그룹에 동화 되려 하고, 애초에 별로 있지도 않던 악센트를 지우고 할 때는 내가 너무 침범 당하는 것 같아서 못 들었어.

12:53 2023/11/18 from Earth

( 高校時代のように何も考えずまた日本のコンテンツを消費できるようになった。生き残るために日本語を使って、生き残るために日本のインナーグループに同化し、最初からそんなにありもしなかったアクセントを消したりしてた時には、私という存在があまりにも犯されているような気分で楽に聴けなかった。)

Eve